多くの人が歯の浮くような褒め台詞が好きなので、言葉が重視される傾向にあります。考えてみてください。言葉が先に走る職業は政治家、マスコミ、詐欺師……推して知るべしです。
言葉に踊らされて、人を信用してしまうのは愚の骨頂です。評価すべきは、その人の行動です。建前の別名を言葉、本音の別名を行動というのです。
正義と正論で、清廉潔白な人は、精神的な拷問に弱く、脆い。自ら宣言したことすら実行できず、すぐに泣きを入れてきます。意固地なくせに弱い。
それに比べて目的志向、思惑志向の人は柔軟で臨機応変。目的達成のための犠牲者が出ても、慌てません。
口から出た言葉を「真に受ける」ことは、「魔を受ける」ことであり、そういう人間を「間抜け」と言います。だから行動を見るのです。聴き心地の良い、調子が良いだけの言葉は聞き流さねばなりません。「ああ、そうですか。ありがとうございます」と返しておけばいいでしょう。何より、その人の行動を見るのです。

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