人間関係、とくに上司と部下の関係は、基本、面従腹背です。しかし、それを論破、面罵したところで、虚しいだけです。腹の底からついてくる部下など、百人に一人いればラッキーなのです。
この面従腹背の組織は、「批判的な社員の数が把握しづらい」という点で怖い現象です。腹の中では経営者の不幸や事故を願っているのに、対応だけはニコニコ。その原因は経営者の罵倒や仕打ちなので、それを恨んでいるという当たり前の感情ではあります。つまり部下の大半は実はあなたに批判的な人なのです。
だとすれば、まずは「組織とはそんなものだ」と考えることです。部下は金と裁量についてくるものです。本音の上司についてくる部下などいるわけがありません。そんなに素晴らしい上司などいないのです。未熟な自分を棚に上げて立場だけで威張る人間についていくなど、よほど主体性のない人間です。
上司は部下に求めず、自分が変わるしかありません。部下をねじ伏せた後に待っているのは、労働基準局か、訴訟です。
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